突然、視界が真っ暗になる。と同時に優しい匂いに包まれた。
『高城先輩?』
あたし先輩に抱きしめられてる。

『唯は可愛いょ。』
優しく頭を撫でてくれた先輩。あたし絶対、顔赤いょ。

『先輩?』
どうしたらいいの?
不思議な顔をしていると、先輩の腕が解かれた。

『ごめん、急に…。』
先輩は照れているのか顔が赤い。

『急いで掃除しよう。暗くなるから。』
せっせと働く先輩の後ろ姿…。かっこいいなぁ…。

って見とれてる場合じゃない!汚い器具庫を片っ端から片付けていった。



『やっと終わったなぁ!』

『はい!先輩のお蔭です。』
何だか先輩と居るのが楽しい。

『暗くなってきたな。送ってくょ。』

『へっ!!』

びっくりして変な声が出る。だって一緒に帰るなんて…。

『ほら、もたもたしてると置いてくぞ!!』

『あっ、はっ、はい。』




と言うことで先輩と並んで歩くあたし。

先輩速いょ。
一生懸命に追いつこうとするケド…。
足の長い先輩に追いつける訳がない。


『あっ!唯だっけ。』

急に止まった先輩に衝突してしまう。

『すいません…。』

慌てて先輩から離れる。

『唯だよな?』

『はい…。』

先輩は頭をポンポンとする。

『…??』

『唯、ちいせぇなぁ…。』

ううっ。あたしのコンプレックスを…。

『何で悲しい顔すんだょ?』

『えっ、だって、先輩が小さいって言うから…。』

そんな事を言うと余計、悲しくなる…。

『ばか。んな意味じゃねえょ。悪かったな。』

頭が?でいっぱいになる…。

『だから、その…。小さくて可愛いなあってょ。』

先輩?
気のせいかな?
ちょっと顔が赤い。
どうしたんだろ??


『もう、帰るぞ。唯んちどっちだって?』

『あっ、あっちです!』

そう言うと先輩が手を握ってくる。

それで、ドキドキしちゃう。
どうしょう…。
絶対、顔赤いよね。