彼と一緒に居るときは
いつも時間が短く感じる。


「じゃ、そろそろ…」


「うん」



儚くて夢のような
短い時間。


まるで蝉の寿命のよう。





「杪、キス…してい?」

「うん」


それでもあたしたちは
愛し合い。



「それじゃ、また」



一人涙を流す。



他の女の元へと…
夫として、父として





あたしの知らない世界へ
行ってしまうの?




こんなときだけは
もっと大人だったら
あたしが結婚したかった
なんて、思ってしまう。



まだまだ、あたしは
未熟なガキんちょ。