―――次の日。



光志は昨日のことが
まるで何もなかったかのように普通にあたしに接してきた。



でも腫れているあたしの目が昨日のことが現実だった証拠。




本当は聞きたいことがあった。




光志がキスより先をあたしにしない理由。


『俺は最低な奴だから』

昨日、光志はそう言っていたけど、


ダメなのはあたしじゃない、光志がダメなんだって言ってたけど、



本当にそう思っているの?


『あたしが浮気相手だからじゃなくて?』

『あたしが子供だからじゃなくて?』



そんなことは
光志には言えなかった。


あまりにもあたしを見る光志の目が優しかったから。