あたしと大地くんの出逢い、


それは高校の入学式の時―――







「あれ・・・?
 もしかしてあたし・・・迷った?」


あたしは中学を卒業したと同時に、
お父さんの転勤で遠くに引越しをした。


同じ高校に行く友達はいるわけなくて、
登校も1人でしていた。


まだ引っ越してきて1ヶ月。


自分の家の近くの道は大体覚えたけど、
学校に行くまでの道がよく分からなかった。


まぁ、どうにかなるでしょ!

そう思ったあたしが間違っていた。



案の定、今あたしは迷子です。


ここがどこなのか、

学校はどの方向にあるのか、

全く分からない状況。



「ど・・・どうしよう・・・
 入学式早々、遅刻なんてできないよ・・・」



ん?

携帯を使えばいいじゃんって?



この時のあたしは携帯を持っていなかった。

あたしには必要ないものだと思っていたから、
親が買ってくれる、と言ったときも「いらない」と答えていたのだ。


あああー・・・

あの時携帯買っていればよかった・・・泣


今更後悔しても遅い。


どうしよう、どうしよう・・・



そう焦っているあたしの前に、

あなたは現れた。