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ん…──?


なぜか手が温かい。



うっすら目を開けてみると、花音が手を握っていた。



良かった。


泣いてない。


花音すぐ泣くからな。


俺がもっと守ってやらないといけねぇのに──。


どうしようもできない。



『か…のん』



花音は俺の手を握りながら、俺の名前を言った。



「良かった…」



『心配…かけた…な』



花音はゆっくり首を横に振った。