『花音!!』




ずっと下を向いて座っている。



震えてる────。



『これ着ろよ』



俺が着てたジャンパーを花音にかけた。



「ひくっ、ひくっ」



花音──。



『ごめんな?気付いてやれなくて。』



俺がもっと早く、止めていたら、花音はこんな悲しい思いせずにすんだのに。




俺が、



「朱蓮は、ひくっ、悪くないよ」



冷たい手で俺の手を握った。



『風邪ひくぞ!!早く中に入れ』




俺は花音の手を引いて、部屋に戻った。