手を引かれて屋上まで行った。


そこには笹木さんが立っていた。



「緒方くん!…─っと紅月さん──」



私を見て目をそらす笹木さん。


やっぱり来ちゃだめだったよね?



ライバル宣言されちゃったから。


でもなんで、朱蓮は私を連れてきたんだろ?



意味あるのかな…?



『ごめん!俺、笹木とは付き合えない。』



顔を上げる笹木さん。



「なんでだめだの?」



『俺、実は花音と付き合ってっから』



朱蓮は私の手を引いた。


言っちゃったよ~…。



あまりばれたくないけど、仕方ないよね。



「そうだったんだ。なんかごめんね!」



笹木さんは涙をこらえて笑った。


強いんだね。笹木さん。