「言った」

「ごめんなさい」


早くも降参

肩をすくめる

針のむしろ……

前門の虎後門の狼ならぬ

前門のかずま後門のかずま

閻魔様、ごめんなさい……



「いいか?」


前置きをして

更に声のトーンがさがる


あたしに言い聞かせる言葉は

静かに

きつく

アタシを縛り付ける



「他の男に色目つかうな」

「はい」


「体を触らせるな」

「はい」



うつむいたまま軽く目を閉じた




「俺のいないところで酒飲んだら殺す」



殺・人!!!!!


穏やかでないセリフに驚いて白目になると


中腰になったかずまがアタシの顔をのぞきこんだ