彼女と入れ違いでアタシは罪作りな男が立っている近くの車によっていく



「かわいかったのに、もったいない」


アタシの声に振り返った新田くんがまばたきをすると上目でこちらをにらむように見た

温度の感じられない視線を久々に浴びる


ピピッ


車が開錠の音を響かせた


アタシの言葉には返事をせずに「店?」と聞いてくる



「うん、新田くんは?」

「俺も、乗せて」




「え?」



アタシは思わずまわりを見渡した

立場上なんだかものすごく悪いことをしているような……


って了承する前にすでに助手席に乗り込んでるし



運転席に乗り込むと、いつもは助手席に置くカバンを後部座席に置いた


「いいけど、アタシ着替えるから一回家行くよ?」

「ついてくし」



「え?」



うちに、来るの???


アタシはエンジンにキーを差し込んで彼の顔を見返した