小沢さんのご機嫌は斜めのようだけど、いかんせん今のアタシはテンションが高い

一歩進むたびに視界に入る自分の靴に口元がにやけそうになる


慌てて口を引き締めて顔をあげると、小沢さんが新田くんの目の前に立って少し甘えるように見上げている姿が見えた



「かずま、勝手に知らない人をここに入れないで」



……かずま


って呼んだ


アタシをにらむようにこっちを見た小沢さんの視線から逃げるようにドアに向かうと「じゃあ…失礼しました」と生徒会室を出てゆっくりとドアを閉めた


手に持ったスリッパを見つめる


新田くんの…彼女???





ま、いっか




アタシは自分の靴をもう一度まじまじと見ると「ラッキ」と肩をキュッと寄せて笑う


カツカツとヒールを響かせて職員室へと続く廊下を歩いた