「あんた、今日店は?」

「ん~?今日はお休みもらってる

ここの先生方が懇親会ひらいてくれるんだって」

「懇親会って、酒飲めんの?」

「飲めない」

「だったら懇親できねーだろ」

「ふふっ」


はじめてまともに会話してくれた気がする

なんだか嬉しくて、思わず笑ってしまった


「場所、どこで?」

「場所?えっと、A駅前の居酒屋って言ってたかな」

「へえ…………」



アタシは靴をみつめてウキウキがとまらない


こんな高級な靴、はじめてだし



「ほんっとに、ありがとうね」


新田くんから返事が返ってくる前に勢いよくドアが開いた


「あれ?小沢さん……」


アタシは突然の彼女の登場で、思わず名前を呼ぶ


小沢さんはアタシに不愉快そうな視線を投げつけ、今度は新田くんのもっている箱に目を向けるとますます怖い顔をした



「生徒会に関係ない人はここに入らないで」


小沢さんの怒ったような声がアタシに向かってくる



「あ、ごめんなさい……えっと、小沢さんは??」


「わたしは副会長」

「あ、そうなの」

アタシは軽く返事すると、自分の脱いだスリッパを拾った