女がことんとグラスをテーブルに置いた


「ちひろのことをちひろって呼ぶな、年上だろ」


横から茶々が入る


ってゆうか、お前だってちひろって呼んでんだろーが


と、いう考えが読まれたみたいで



「俺はいいんだよ」



へいへい、そーですか


「ってゆうか、かずま

ルリちゃんもお前狙いで生徒会に入ったんだってな……

もう俺超~ショックなんだけど

お前って、クールな顔してさくっと一回や二回食っちゃうから……」


ちひろが静かに立ち上がってバッグを持った


「どこ行くんだ」


かずまが視線だけで見上げている


「お手洗い」

「カバン置いてけ、お前帰ろうとしてるだろ」


彼女はしぶしぶといった感じでバッグの中からハンカチだけを取り出して席を外した




その後にビリッと空気が変わる


「お前、俺とちひろが小沢問題の時にどれだけ険悪になったか知ってんだろーが」

「どっかの政党みたいだねえ」

「笑い事じゃねーんだよ」

「だって、お前だけいい思いしてさ」

「知るか、飯食ったらサッサと帰れ」

「え、俺もかずまと帰る」

「俺帰らねーし」




ガーーーーン