「送ってくれてありがとう、シンくん……門限が厳しくって、ごめんね

ほんとは、もっと一緒にいたい……けど」


上目でこんな風に言われると、もう何も返せない


「チューしてくれたら許す」


困る顔が見たくて言ってみた

すると、ほっぺたをほんのりピンクにして口を尖らせている


そのかわいい唇にチュッとキスをすると、人差し指で胸をツンとつついた


「キャッ」と小さく声をあげて胸を押さえる彼女


ニヤって笑うと、彼女は「いじわる……」とつぶやいて、自分から俺にチュッと唇を重ねてきた

細くて小さい体をギューッと抱きしめる

応えるように背中に腕がまわって、小さい子供が泣いてすがりついているかのように顔を押し付けてきて愛しさが増す


「今度は、俺の家においでね」

「……うん」


聞き取れないくらいの小さな声でうなずくから、また抱きしめる腕に力を込めた






―――今日も、こんな時間に孤独になった


通りすがりの喫茶店内の時計をチラリと見て肩を落とす

時計の針は21時前をさしている


……そういや、あいつら今日は一緒にいるとか言ってたな



あいつのことだから……

あそこか??

いや、あっちか??


色々と頭を巡らせながら、検討をつけると足を向けた