トゥルルル…トゥルルル…
真夜中のコール
画面には、年上の彼女の名前
今何時だ?
と考えながら通話ボタンを押す
「はい……」
「ちひろだけど、……寝てた?」
「お前今、3時じゃねーか……」
「なんか、寝れなくて」
「だからって俺を起こすなよ」
少しの沈黙
眠気に負けそうになる
「かずま、…好きって言って」
「は?」
「寝れないんだもん、…好きって言って」
「…………」
現実とまどろみの境界線をさまよいながら、(やっぱ、コイツかわいいな)なんて意識が生まれる
夜中だからか、うっかり口が滑りそう
「言ってくれないの?……そんなもんか……」
「…………」
あ、すねた
電話の奥で俺の出方を待ってるのがわかる
かわいいから
絶対
お前の思い通りにはしてやんねー……
「もういいよ、ごめんね起こして」
「……ちひろ
……世界の中心でお前が好きだ」
「………結局かずまが中心じゃん」
「そういうこと。おやすみ」
ツーツーツーツー
* * * * *
なんだか、ぐっすり寝れちゃうちひろなのでした