なんだか、彼女のストレートな思いにアタシはこのまま黙ってちゃいけない気がする

彼女の言葉が突き刺さってくる

本気の彼女に対して、アタシが黙っていることは正解??


人として

女として

かずまの事が大好きな気持ちは、一緒……だよ



アタシは、かずまの横に並んだ


「違うの……

ごめんね

勘違いさせて、ごめん」


涙をこらえるように体に力をいれてうつむいている小沢さんの肩に手をそっとあてると、全力で振り払われた



「アタシ、バイトしてて

生活費稼がなきゃいけないから……

水商売

……小沢さんが見たその男の人

お客さんなの」


小沢さんはほんの少しだけ驚いたようだった


かずまに向かって「ホント?」と確認している


「コイツがバイトしてる店で、俺もバイトしてる」



彼女が言葉の意味を飲み込む時間

近くを通っていく車の音

校舎をはさんだ裏側の運動場から聞こえる部活動の笛と人声



「だから、一緒に帰ったり……してたの?」


あ、やっぱり人に見られてたんだよ


かずまは「ああ」と低い声で肯定した