かずまはアタシの服をササッと拾うと、すぐ近くのドアをあけて部屋の中にアタシを押し込んだ


服を着てないアタシは、恥ずかしくて慌ててベッドの中に身を隠す


それをかずまが追いかけてくる


布団の中、かずまの指がおもむろにアタシの体の上をゆるゆると這い回る


くすぐったいのと、心地いいのが混在して、アタシは彼の素肌の上半身に顔を寄せてくすくす笑った


「お前、けじめはどこにいった?」


肘を立てて枕にしたまま、おかしそうにアタシの顔を見下ろすかずまを見上げて「けじめ?」と聞き返す


「実習が終わるまで、けじめだって言ってただろ」


ホテルで食事して、夜景を見て……アタシは確かにそう言った


「そう……だよね、意志弱いよね」


落ち込んで呟くと、かずまの唇がおでこに押し付けられる


アタシはそれを拒むように彼から離れると、布団を体にぎゅっと巻きつけた


「今更??」


かずまが更に苦笑いしている


布団の隙間をぬって指先がアタシに到達すると、アタシはまた体を離した


「自分勝手だな」


更に指が追いかけてくる


「かずまほどじゃないよ」

「うん……」

「うんって何?」


かずまが体ごと寄って来る


「だから、俺は俺の好きなようにする」


気がつくと、肩を押されてあっという間に仰向け……


かずまが馬乗りになってアタシを見下ろしている


「お前の意志なんか、俺が溶かしてやる」



そう言うと、また口調とは正反対の優しいキスが全身に降ってきた