小沢さんが得意気な顔をして切り込んでくる


「それをきっかけに本当の恋人に進展することも多いんです」

「だろうね」



と微笑んで返すも…………


なんだか、不穏な空気


「ちなみに私は過去二年間、かずまと一緒に行ってます」


…………やっぱり?

かずまには“どんくさい”だの“手がかかる”だのとののしられるけど、アタシは女の悪意を感じ取れないほど“天然”じゃない



アタシの代わりに男子が冷やかすように返事してくれた


「なんだよ小沢、それが言いたかったの~??」


小沢さんは臆することもなくアタシの前に立つと、長い髪を耳にかけて横目でアタシをにらみつけた

シャープなあごのラインに目がいく


……小沢さん、小顔だなあ……


「今年もかずまと行きますから」


堂々の宣言にクラス中の男子が「ヒューヒュー」と時代遅れな野次をとばした



……小顔マッサージとかしてるのかな?



挑戦的な態度になんとこたえるのか、クラス中が息を飲んでアタシの行動に見入っている



……やっぱり、お手入れ云々というよりは



「若いね~~」



純粋に彼女の若さがうらやましくて発した言葉

男子達がギャハハハと笑う声が教室に響いた