「き、君がどうして新田くんと…」

まだ納得いかなそうな教頭先生が口を挟んできてあこは首をかしげている


「アタシと、かずまの馴れ初め聞きます?

長い話で、今から2時間はかかると思いますけど」


あこのセリフに校長先生は腕を伸ばして教頭先生を制した


「何か大きな誤解があったようですね」


あこが「全くです」と返事して、再びアタシに謝る姿は

演技派女優さながらで……



立ち上がった校長先生


「ですが、あと数日は誤解を受けないように出入りしない方がいいですね」


「重々承知しております

本当にご迷惑をおかけしました」


アタシのかわりにあこが返事をして深々と頭を下げた

つられてアタシも頭を下げる



そして、校長室を後にした



心を散々かきまわして、嵐が過ぎ去ったような感覚


あこと一緒に車に乗り込む


「かずまから連絡があったの、それで駆けつけたってわけ」


あこが助手席で微笑んでいる


「そう……」


アタシは放心状態で一旦家に帰って服を着替えた


肩の大きく開いたワンピース

あこに誕生日プレゼントでもらった二連のバングルを腕にはめた