「何してんの!切っちゃダメじゃん」

呆れているあこの元へ携帯をポイっと投げる

「乙女気取る年でもないでしょうが」


身もフタもないお言葉……

それでなくてもかずまより年上って事を気にしているのに


「女は何歳まででも乙女です」


アタシが必死に反論する言葉にかぶさるように携帯がなりだして、アタシは「キャー」と飛び跳ねた


携帯の画面をこちらに向けて見せるあこ


「悪いこともしてないのに、電話かかってきて悲鳴あげる女がどこにいるよ」


と、通話ボタンを押すとテーブルに置いた



『番号を通知してイタ電とは、大した勇気だな』


アタシは自分で携帯を持ち直して、そのまま自分の部屋へ向かう


電話の奥の声は、……怒ってないみたい


『で、何か用?』


こんな口調はいつものこと


「用は……ない」

『…………』

「…………」


『あっそ、じゃあ切るよ』

「えっ!」

『……冗談』


電話越しでも、なんだかかずまが健在

でもこうして振り回されるのはキライじゃない

…ってゆうか、こうされることを心地よく感じ始めてる