「まあ、あの容姿ならそんな女子はいっぱいいるんじゃないの?」

「うん、まぁそうなんだけど、かずまは基本誰にでもそっけないんだよ、でも副会長とはいい感じなの!」

「…………ああ、そう」

「試験中もよく一緒に勉強してたみたいだし」

「うん」

「副会長、かわいいし」

「…………」

「髪、サラッサラだし」



あこの手が伸びてくる

「携帯貸してみな」

その手の上にアタシの携帯を乗っけた


話の腰を折られたけれど、エキサイトしてきた感情はおさまらずに話し続ける


「話すときもボディタッチしたりさ、シャツのボタンとかあけちゃってセクシーアピールむんむんしてるんだよ」

「女の子に興味津々の年頃なら、イチコロだろうねえ」


あこの何気ないセリフにギクッと衝撃を受ける


あこは全く気にしてない様子で携帯を片手で操作中

相談して余計にダメージ食らってるし…


あこはアタシの携帯電話を耳にあてている


「アタシが見た感じでは、かずまはあんたはいい感じに思えるけど、不安に思うなら本人に聞いてみなよ、それが一番」


あこは意地悪だか優しいんだかわからない笑顔を浮かべながら携帯をアタシに差し出した


「え?」


アタシはなんとなく受け取った携帯を耳に押し当てる


『……もしもし?』


向こう側から聞こえる声は……単調な低い声……


ぅぇっ!

え、なんでかずまが…

と焦ってビビって携帯を遠ざけると…


アタシは動揺しながら電話を切った