東京へ行く前日、お母さんは私に言った。

「ごめんね。借金作ってまで工場なんかやって…。キャバクラだなんて、お母さんは働いた事がないから、怖いよ。本当は行かせたくない。
だけど、アカリにしか頼れないんだよ。情けないねえ…。」

情けなくなんか、ないよ。お母さん。

借金がある事すら知らないで今まで生きてきた私が、恥ずかしいよ。

ねえ、お母さん。

私、東京で頑張るから。

そう決意し、眠りについた。