どうやら幼なじみのようだ。
うちのお母さんに、邪魔だから2人で散歩してきなさい、と追い出された。

紘さんから聞いた話によると、親同士が仲良すぎて
「お互いの子供を結婚させるのが高校からの夢だったのよぉ―、うふふふふ!」
らしい。
こういう展開、よくあるよね…?
「俺ら、大変だな。親に振り回されて…」
「そっ、そうですねッ!」
「結婚とかどうでもいい…」
「そっ、そうですねッ!」
「…なあ、敬語やめね?」
「うぇ…?」
「俺も高2だから。」
「そう…なんだぁ…」
「んま…仲良くしようぜ」
紘さ…紘君はギター得意で、ヴィジュアルバンド組んでるんだって。
あと、漫才鑑賞が趣味らしい。
「お前は?趣味とかねえの」
「えっ、あたしは…」
得意なこと…パソコン…かなあ…
好きなこと…アニメ鑑賞…だね…
こ、これを言ったら嫌われる!
「ふーん、いんじゃね?」
「えっ」
「今の口に出してたぞ」
ぎゃ…
ぎゃあああぁああぁぁぁ!!
…でも、嫌われてないっぽい…?
「風強いな…帰ろうぜ、桃!」
紘君に手を取られ走るあたし達。
…あたし、紘君のこと…好き?