今までに出会ったことのない、この本のよさを分かってくれる人。



こんな風に感想を言い合えるのは、とても楽しいし、嬉しい。



………しかも…




「それにしても。

中川さんとこんなに話が合うなんて、もっと人見知りしそうな感じだったから、意外だな。」


「えっ……」




俺の言葉に、固まってしまった中川さん。


な、なんか…ダメなことを口走ったか…?



黙り込んだまま俺を見つめる彼女に、慌てて言葉を紡ぎ出す。




「ぁ、別に…
中川さんのことをそういう風に思ってたっていうか…

こんなにその本の話ができるのが嬉しくてさ。

変な気分にしちゃったならごめんね?」



すると彼女は、さっきよりもっと赤く染まった頬で

ふんわりと微笑んだ。




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