ふと、一瞬だけみえた彼女の表情に

体が固まった。




「……っ」



なんで


なんでそんな顔をしている?



何かを悔やんでいるような

悲しんでいるような


そんな悲痛な感情に、顔を歪ませている………




その理由はなんだ?


キミに、そんな表情をさせているのは誰だ?




もしかしたら、俺が原因か?


………それなら…






「………待って。」


「へ…」




今にも去っていこうとしていた彼女の腕を掴んで、引っ張った。


すると、彼女も気を抜いていたのか…俺の胸にその細い背中がぶつかった。




「わっ…ごめんなさい……!!」


「いゃ、いいんだ。俺が無理矢理引き止めたんだから。」





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