目を見開いた彼女が、俺の目を捕える。
「な……なんで先輩がっ…
痛っ…」
床に倒れ込んだ状態のまま、彼女を後ろから抱き締めるように抱えて。
落ちたときに痛めたのか、脚を押さえて顔を歪ませる中川さん。
………守り切れなかったか。
それが悔しくて、彼女には見られないように眉間にシワを寄せた。
「大丈夫じゃないみたいだね?
…さっきの子たちにやられたの?」
なるべく優しい口調を心掛けた俺だったが、悔しさを隠しきれてなかったのだろうか。
彼女に訝しげな顔をされてしまった。
……変に思われたかな。
真っ直ぐに見つめられ、ドクドクと心臓が鳴る。
微妙な雰囲気になっていると…
「…清嘉!!!大丈夫かよ?
保健室に……」
橘くんが駆け寄って来て、中川さんの腕を掴んだ。
心配そうな顔をしてる。
……が、正直触ってほしくない。
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