「……?」



なんだ?


不思議に思い、踊り場に上がると……





「っ!!!!」




誰かに押されたのか、階段の途中でバランスを崩した中川さんが

下まで落ちそうになっていた。




その姿を捕えると同時に、中川さんに向かって手を伸ばす橘くんの姿も目に入って。


なんとしてでも、橘くんには中川さんの腕を引っ張ってほしくなかった。






後ろ向きに落ちてくる彼女を

しっかりと両腕で抱き止めて


2人一緒に後ろへ倒れ込んだ。




そして、うるさすぎる声を出していた一年生の女子たちを見て、ニコッと笑う。


すると余程俺の笑顔が怖かったのか、顔を青くして去っていった。




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