それを聞いた瞬間

どうしようもない気持ちでいっぱいになった。




「…笑顔可愛いよ、すごく。」


「え?」

「…中川さん、普通の顔も可愛いし、仕草なんかもすごく……」


「おぃおぃ弥斗…」




紳に脚を蹴られてハッとした。


何を言おうとしてた……?




「……まぁ、あの子で間違いないんだよな。
結構お似合いだったけどなー」




そう言って、去ったクラスメイト。

その言葉に少なからずダメージを受ける俺。



“結構お似合いだったけどなー”


2人は確かにお似合いだった。

爽やかな雰囲気だし…客観的にみても釣り合う。



………俺は

中川さんに釣り合ってるだろうか。


残った俺と紳の間には、微妙な空気が流れている。




「行くか」

「あぁ、悪い」



切り出したのは紳からで、2人並んで教室に戻った。




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