「んだよ、うるせぇな」

「いや、思い出したあの子!!」


「……」



思い出した??

なにをだよ。



「いやぁ、まさかあんな雰囲気な子だとはねぇ。
あのさ、俺の弟が橘と同じクラスでさ。」


「あぁ。そういえば一年かお前の弟。」

「そうそう。だからよく橘の話を俺にしてくるんだよね。」



回りくどい言い方にイライラするのは、これから何を言うのか予想出来てるから。


誰が聞いたというわけではないのに、ペラペラと続けた。



「橘が気にかけてる子がいるってさ。同じクラスで、笑顔が可愛い清楚な雰囲気の子だって。」


「………」

「で、だからなんなんだよ」



黙り込む俺に大して、紳が聞き返す。



「だから!!その、橘が気にかけてる子って今の子だろ?
笑顔が可愛いかは見えなかったからわかんないけど、清楚な雰囲気だし……」




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