「じゃぁ先輩、ホントにありがとうございました。」


「ぅん。準備頑張って。」




最後に、微笑みかけて手を振る。


同じように、笑顔で手を振り返してくれた中川さん。

それだけで嬉しくて仕方ない。





もう


認めなきゃダメだ。



認めて

伝えなきゃ。


少しでも、近づきたい


心の中に いたいんだ……




弱虫は

もう、やめだ――――…




一年生の廊下を後にして、自分の教室に戻る。



腕にあるのは、1つだけになった白いペンキ。

なんだか変な感じがするのは、さっきまで持っていたピンクのペンキがなくなったからだろうか。



その感覚になんだか寂しくなりながら、文化祭進行委員にペンキを渡した。




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