「…………ぁっ。」



いつも下ろしている長い黒髪を、ポニーテールにしている

中川さんだった。




「ぁれ、中川さんだ。
久しぶり。

中川さんもペンキ?」


「ぁ、はい。
でも先生いなくて…」




まさかこんなところでばったり会えるとは思っていなかったからか、心臓がうるさく鳴りだす。


なるべく平静を装って、笑顔で返した。




「そうなんだ。
何色?」



ペンキの入った引き出しをあけ、聞いてみる。


小さな声で ピンクと白 と答えた彼女に、ペンキの缶を渡した。




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