「怒ってた…というか、ちょっと面白くないことがあったからさ。

ごめんね。中川さんの所為じゃないよ。」


「……ぁ。」



今度は、俺の言葉にキョトンとする。

でも、ちょっとだけわかったみたいだ。



よかった。

中川さんの所為じゃないから、そんなに心配することはないよ。




………でも


俺がイライラしてるのは紳の所為で、紳がキレたのは…まぁ、中川さんのことだけどな。




俺がはっきりしないのが悪い。

それは自分でもわかる。




俺の目をじっと見つめてくる彼女に、心臓が高鳴りながらも

そっと微笑んでみせた。




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