「ぁ、いたんだ。
ごめんね、びっくりしたでしょ?」
やはり、ドアの開け方がよくなかったのか
ちょっと驚いた様子の中川さん。
慌てて笑顔を作るも、完全に引きつっているのが自分でわかった。
なんで、彼女がここに……?
なんとなく、ただ直感で
紳が仕組んだことだと思った。
彼女はきっと、俺が来るのをわかっていただろうから。
そんなに表情に困惑の色がない。
図書委員としても、生徒としても
ここに呼ぶなんて、教師か、担当の生徒会役員くらいしかいない。
だとしたらやはり
紳 しか考えられなかった。
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