思わず距離をとる。
が、負けないように強く睨み返す。
今日は睨んでばっかりだな。
「…未熟だって言ってんのがわかんない?気付いたんならもっと動けよ。
しかも…お前は自分が未熟だってわかってるクセに動かない。」
「……」
「それって、最低じゃねぇか?」
最低
わかってる。
わかってたつもりだ。
ただ…臆病なだけで。
「そんなんじゃ…振り向かせるなんて夢のまた夢。不可能だな。
いくら顔と頭がよくて人気があったって、そんな意気地なしを彼氏にしたいと思う女なんていねぇよ。」
紳はそれだけ言い捨て、生徒会室を後にした。
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