言い終わるより早く、俺は紳の胸ぐらを掴んでいた。
「さっきから…何なんだよ?完全無欠とか、可哀想とか…
馬鹿にしてんのか?」
「ハッ…怖いね。
未熟すぎて怖い怖い。」
これまた嘲笑うように見てくる紳に、何かが切れた気がした。
「……ふざけるな。」
「……」
「…お前に何がわかるんだよ。
紳に……何がっ…」
少しでも、中川さんに見てもらえてる紳に
見向きもしてもらえない俺の気持ちなんて……わかるワケがない。
唇を噛み締めて俯いたところで、掴みかかっていた腕を払われた。
顔を上げると
今までに見たことないくらい冷たい瞳をした紳が、俺を睨んでいた。
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