「へぇ。それは紳の指導がダメだからじゃないのか?」



負けじと微笑み返すと、紳は余裕そうに椅子に座った。



「まぁ、お前のお気に入りは割と出来るヤツみたいだけどな?」


「は……?」



なぜ「お気に入り」だってわかったんだ…?

…って、違う。


まるで『彼女のことはよく知ってるぜ?』みたいな口振りじゃないか!!?




「おぃ、紳っ…!!!」


ガチャッ

「ぁ、もう来てたの?
早いわねっ」



紳に問い質そうかと思ったが、他の生徒会の役員が来てしまったから口を閉じた。


すると、楽しそうに笑っている紳が耳元で




「ハッ…余裕ねぇなぁ?」




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