始業式が始まる。
壇上に上がると、突き刺さるほどに感じる視線。
教師も生徒も、俺に注目している。
もう緊張もしないな。
慣れたものだ。
スピーチしながら、生徒の顔を見る。
見る というか 探す 。
一年生だから、前の方にいるはず……
あっ。
今、目が合ったよな?
それだけで気分が舞い上がる。
……やっぱり、見て見ぬフリは出来なかった。
もう…仕方ないことだ。
密かに思っているだけなら許されるだろう?
俺を見つめている彼女に向かって笑いかける。
これが、今できる
精一杯のアピールだ。
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