鋭い目で獲物を追い
羽を広げて
襲い掛かる

その美しさに
心奪われた

君は鷹

腹を空かし
気の高ぶった

野生の鷹

その羽に触れてみたい
その雄姿に寄り添ってみたい

君を休める
宿り木になれたら

僕は男

愛に溢れ
君を求める

振り向いた君の瞳に
恐怖が走った

すべての生きものは
混沌から生まれた

ぐちゃぐちゃの
せめぎ合いの中から生まれた

生まれた命は
地球の中で
自分の居場所を求めた

守りたいのは
自分の居場所

多くもなく
少なくもなく

日々の暮らしが
まかなえるほどの

寄り添えば温もりが
伝わるほどの

手を伸ばせば
繋がれるほどの

涙を流せば
ぬぐえるほどの

守りたいのは
心の平和

やっと
熟した柿の実を
やっと
収穫しようとおもったら
烏にさきをこされたました

やっと
貯めたお小遣いで
やっと
お気に入りのペンを買おうとおもったら
品切れでした

やっと
届いたあなたからの手紙を
やっと
気を落ち着けて開いたら
中身は空でした

出てきたのは
ひとひらの桜の花びらと
森の香り

すぐ横に
あなたの気配を感じました

君の側にいる
透明な感覚

息づく気配
感じる体温

君の側にいる
透明な意識

透き通る声
見詰め合う沈黙

君の側にいる
透明な思考

溢れる想い
繋がった記憶

その場のがれの嘘
取り繕って
お茶を濁して

その場しのぎの当てずっぽう
誤魔化したつもりが
墓穴を掘って

わかってる
おざなりなわたしの言葉が
全ての不安の始まりだって

わかってる
おざなりなわたしの行動が
ずべての不幸の元凶だって

わかっているけど
止められない

切り取った写真

きみとぼく

あの時は

一枚の画面の中に
二人で並んでいることさえ
絶えられなかったなんて

むかしの人はさ
写真を撮ると魂を抜かれる
なんて思ったそうだけど

確かに
二人並んだその画面には
寄り添う魂の調和
みたいな穏やかな雰囲気があったよね

貼り合わせても戻らない

きみとぼく

切り取られた写真

「おはよう」

おはよう

僕は今朝
君の声で目が覚めた
全くもって得をした気分です

「ありがと」

いいえ

そんな
滅相も無い
僕は君が消しゴムを落とさないかと
一身に念じていただけなのです

「雨降ってきたね」

そうだね

今日の天気予報は
晴天
でもきっと天の神様が僕に味方した
僕はいま傘を開こうとしています

「入ってく?」

僕の君新聞(キミシンブン)に
新たな一ページを加えよう

いっしん(一新)

かいしゅう(改修)

かいぜん(改善)

かいぞう(改造)

かいりょう(改良)

かくしん(革新)

かいかく(改革)

いっそ

かくめい(革命)

わたしは
わたしにピッタリの靴を求める

見た目も大事だけど
履き心地とか
歩き心地とか

なにより
ちょっといつもより背伸びした
かかとの高さ

わたしは
わたしにピッタリの靴を求める

理性を失っちゃ大変だけど
それは一体感で
浮遊感で

なにより
ちょっといつもと違う
高揚感