その日の午後






一階のリビングでは、美華がテレビを見ている。


そして鶴子はドラマの撮影のための台本をチェックしている。


政子は『決意』を固め、心して一階へと下りていった。



政子がリビングへとむかう途中、まだ冬でもないのに、ホールにある暖炉が燃えているのに気がついた。


お手伝いが、何やら『物』を暖炉の中に放りこんで燃やしている…。


それを見た政子は愕然とした。



「こ、これは……!!赤ん坊の為に買った服じゃない!!」


そう、なんと政子が鶴子と共に銀座へ行き、購入してきた新品のベビー服やら子供用のブラウスやら、おしめやら、次々と暖炉の中に放り込まれて燃やされていたのだった…。


「あなた!何なさってるのよ!」
と急いで止めに入る政子。


すると、お手伝いが
「申し訳ございません……。政子様、奥様の御申付けに御座います。どうか、どうかご勘弁を…。」
と辛い顔をしながら言った。


(お母様が………!?
あの、クソババァが!!)
と政子は心を鬼にしている。


そして鶴子と美華に対する憎しみが、遂に『沸点』を迎えたのだった!