寝室

鶴子から望美の出産を激しく反対され、ワァーー!!と泣き崩れる政子。

そしてクソォ!!と悔しみに暮れる義昭。

両親の、とてつもない圧力に若いカップルは対抗する術など無く、ただただ無力だった。

「政子ーー!!」
義昭も号泣しながら政子を胸に抱き締める。
「ごめんな……!ごめんな…!政子!!どうか許してやってくれ!!すまない……!!望美もどうか許してくれ!!」
とワンワン泣いている。


政子も、
「義昭さんだって……あんなに子供を欲しがっていたのに…、こんな事あっていいのかしら…。
お金だって不自由なく有るのに……子供ができない人達だってたくさんいるのに……こんなこと…こんな…」
と嘆いている。

「政子!!かならず、かならず俺達の子供をつくって、幸せな家庭を築こう!!」と切望するように言う、義昭だった。



(子ができぬというなら捨てられ……。
子ができたというなら、追い出され……。
許せない!!
こんなこと、望美が許さないわ!!)
フツフツと怒りと憎しみが込み上げてくる政子。


夜の暗闇がより一層、邪悪な魔物を生みだすように引き立っていたのだった。