「おい!政子!
しっかりしろ!!政子!!」


(ハッ!!)



政子が目を覚ますと、そこは寝室だった。


義昭が心配そうに、
「どうしたんだ?
もの凄い、うなされていたぞ?
また恐い夢でも見たのか?」と政子に聞いた。



「えぇ……。」
と政子は恐る恐る自分の見た怖い夢の話を義昭にした。



お腹の中の赤子に出会ったこと。
そして、その子の名は『望美』ということ。それから以前襲われ、その子を身籠もった悪魔にまた出くわしたこと
そしてその後のおぞましい出来事…。



「それじゃあ、政子のお腹の中にいる赤ん坊は女の子で、望美っていうのか?」
と若干気味が悪そうに聞く義昭。


政子は
「えぇ……。
『望美』って言ってたわ。」
と、続けて、
「何だかとても恐ろしいことが起こってならないの。
まるで望美が何かを察知しているみたいで!!絶対産まなきゃならない!!産まなきゃいけないんだわ!!」
と言い、恐ろしい予感を肌に感じていた。


(私、産みます!!望美!!私が絶対産んであげるから、待ってて!!)