政子は、
「もうすぐ逢えるわよ・・。あと少し時間が経てば・・。」
と望美の背中をさすりながら更に抱き締めた。


望美は政子の顔を見ながら、
「本当に?ママ、本当にもうすぐ逢えるの?私、もう我慢できない!
待ちきれないのよ!
散々待ったのよ!
そして遂にやっと、やっとママに逢えるのね!」と切望していた。

「えぇ・・。」
と政子。


「嬉しいわ!早くママに逢いたい!」
と望美。


「私もよ。」
といって政子は望美の額にキスをした。



政子の顔には安堵感が漂っていた。


魔物の子供を妊娠したと思っていたが、こんなに可愛いくて愛しい望美の姿に安心したのだった。


「ママ・・!!」


「望美!!望美!!」

涙して抱き合う二人。それは母子の仲むつましい姿でした。





しかし、後に政子自身『望美』の邪悪な憎悪の念によって苦しめられ、窮地に立たされてしまうことになるのです。
そして、望美はおぞましい魑魅魍魎(チミモウリョウ)と化し、決して誰も止める事のできない化け物としての道を歩むこととなるのでした。