数時間後、なんとか冷静さを取り戻した二人は身籠もった子供についてどうするか、話していた。



「まったく、とんだコウノトリを連れてきてしまったものだよ…。」
と力無く喋る義昭。


「やめてよ…。」
と政子。


「どうするんだよ?
レイプされて出来た子なんて、とても………。」
と悲観する義昭。


しかし、政子は
「私は産みたいと思ってるの!」
と力強く答えた。


とっさに
「バッ、バカな!!お前が一番苦しむんだぞ!!」
と反対する義昭だが、

政子は
「判ってるわ。けど私たち、子供を欲しがっていたじゃない!私は子供が欲しくて欲しくてたまらなかったのよ!貴方だってそうでしょ?」
と考えを変えない。


義昭は困り果てて、 「そりゃあ事実だけど、これは大問題だよ!家族に相談しよう!」と切りだすと、
政子は、
「ダメよ!そんなことしたら反対されて、中絶させられてしまうわ!」
と考えを固持する。


「じゃあどうしろって言うんだよ!父さんは石油会の会長。母さんは女優なんだぞ!こんなこと世間にバレたら一大スキャンダルになる!反対されるに決まってるじゃないか!」と怒鳴る義昭。