政子は病院からの帰り道、駅からタクシーで屋敷へ向かっていると、突然子宮の中で何かが動きはじめた。

「ドン!!ドン!!」

まさか中の胎児であろうか・・。
政子の子宮のなかで、手も足も生えていない胎児が腹を蹴っているなど常識では考えられない・・・。


「ドン!!ドン!!」

(なんなのよ?
次はなんだっていうのよ!!)
と政子は身震いするとフッと外を見渡した。屋敷近くの林道で、例の地蔵が目の入った。

「止めてください!」と政子はタクシーを止めさせると、すぐにドアから降り、地蔵にむかって持っていたバッグで何度も何度も力一杯殴りかかった。

「ウッ!!ウッ!!
ウリャ!!ウリャ!!ウリャ!!コノ!!コノ!!」


急いで運転手が止めにかかったが、暴れ狂う政子。


もはや誰にも理解されないこの苦しみ。そして悲しみ。
そう思うと政子は冷静さを保てないでいたのだ。



「私が何をした!!
言え!!
言えええーーーー!!!!」