東京・大学病院
産婦人科

待合室で診察を待っている政子。

(そんな馬鹿なこと・・。そんなことはないわ・・。想像妊娠だわ!!)
と自分に言い聞かせている。


診察室に入ると不妊治療を担当している医師が浮かない顔をしてながら、
「超音波で調べたところ、妊娠が確認されました・・・。
多分、受精卵が子宮に着床したのは6週間くらい前だと思われます・・・。」


「そんな・・・・。」
政子は唖然としている。


医師が言葉を濁すように、
「たしか二か月くらい前に、政子さんは膣内に違和感を感じると言って当院にいらっしゃいましたよね?」


政子は思い出したくないような顔をしながら、「えぇ・・。」
とだけ言った。


「夜中に、ご自宅で何者かに夜這いにあらしゃって・・・。」と医師。


政子は、
「えぇ、でも乱暴されたり、レイプされた記憶がないんです・・。ただお腹のあたりを何度も触られて・・・。」
と言うと、
「でも悪い夢だと思っていたんです!!
ただ膣内に気持ち悪さを感じて……。念のために来たんです!!」と医師に訴えた。