二階の寝室でベットにうずくまり泣きじゃくる政子。



ダイニングでは仕事から帰ってきた義昭が鶴子からコトの事情を聞き美華を問い詰めている。



少し離れた所で不安そうに見守る義郎と鶴子。



「いったい何のつもりなんだ!!
いつもいつも政子に言掛かりをつけては、頭ごなしに目の敵にし、姉さんはいったい何なんだ!!」 と怒りをあらわに声を荒げる義昭。


美華は涼しい顔で、
「わたくしはただ、事実を述べているまでだわ。」
と言うと、続けて…
「何も私、政子さんの知性だとか美貌だとかに嫉妬している訳じゃないんですのよ。
そりゃあ出生の身元不明女が嫁いでくりゃあ何か起こるんじゃと気が気でなくてハラハラさせられるけど…。」
と言い、クスッと笑った。



義昭は、
「黙れっ!!!
彼女の両親がどんな人であったとしても俺は政子を愛してるんだ!!
お前にそんなこと言われる権利は無い!!」
と怒鳴りつけると、
怒りが治まらないのか、近くにあったガラス製の置時計を美華に向かって投げ付けた。