「私が何も知らないと思ってんじゃねぇよ!私を……、毎晩毎晩夜になるとその女の子の霊が現われて、私を殺そうとするんだよ!!」
と吐き捨てた。


「女の子の霊が!殺そうと!?」

それを聞き政子は驚きを隠せない。


美華は続けて、
「あぁ、そうだよ!包丁で刺されそうになったり、首を絞められそうになったり、毒殺されそうになったり、毎晩毎晩殺される寸前でいなくなるんだよ!」
と……。
そして、
「私はもう精神のバランスを壊してしまったわよ!!挙げ句の果てにはお母様が異常をきたし、お父様が狂乱して自殺。いつ私もこうなるか分かったもんじゃないわ!!」
激怒したのだった。

義昭は力無く、
「望美が…。望美が…。」
と呟いている。

美華は窓際でシトシトと降る雨を見つめながら、
「許さないわよ!!
いくら霊だからって、こんな真似は許さない!!殺せるもんなら殺してみなさい!!私の方こそ殺してやるわよ!!」
と望美に対して逆上している。


ピカッ!

ピカピカ!

ゴロゴロゴロ!

外では雷が発生し、稲妻の光が屋敷内の三人をピカピカ照らしている。

政子はまた何か起こるんじゃないかと不安を感じていたのだった。