数日後の朝

外は雨が激しく降り荒れている。


この日は、ダンプカー突入・屋敷火災という『事変』による騒動おさやまぬなか義郎の葬儀が行われる。

政子たちは焼け崩れた豪邸の本館から別館へと居を移していた。

リビングで、葬儀の支度をする三人。

美華は自室が燃えずブランド品は助かっただのブツブツと話している。

政子は喪服に着替えて準備をととのえている。

義昭はテレビに釘付けになっていた。


テレビのニュース番組では数日たった今も、『日本石油連合会・会長の謎の焼身自殺』と題して報道し、幸い義郎以外死人はでなかったが、重傷を負ったお手伝いたちや、警備員を義郎がひき殺そうとしたことなど、その狂った死に際が各メディアから波紋をひろげ、川添家を、『イカレた一家』と罵り、
『呪われた名家』だの『枯麗なる一族』などとおもしろおかしくこき下ろしたのである。

テレビを見ながら義昭は、
「まったく、酷いもんだよ。あれだけ名誉ある親父だったっていうのに……。」
と失望しながら語っている。



美華は、
「きっと長年、会長だったお父様を妬んでいた連中がいたんだわ!!
お父様が御亡くなりになった今、