周りに居た奴等が僕の溜息に気付いて心配そうに声をかけて来た。
「和麻、どうしたんだ?痛いのか?」
「うっ、ううん。だいじょ「和麻!!血が出てるじゃないか!!!大変だー!!」
僕の言葉がバカ達に掻き消される。
「きゅっ…!救急車呼べ!!早く!!」
「それよりもまず保健室で応急手当だ!!和麻を連れてくんだ!!」
僕は有無を言わされないままに馬鹿の一人に担がれた。
いわゆるお姫様抱っこってヤツだ。
軽がると担がれる僕…。畜生っ…。
涙が出そうだ…。
潤んだ瞳に気づかれない様に、僕はギュッと目を閉じた。
僕を担いでる男を始め、周りの馬鹿達は「ウォォォーーーッ」と変な雄叫びをあげながら保健室までの廊下を走る。