マサシは持っていたボールをスッと投げた。

弧を描いてゴールに吸い込まれていくボール。


「ああ、終わったよ。モップがけの邪魔しそうだからこっち側に来た」

「えー?!こっち使うなら向こうのモップがけしてきなよー」


私が指差して言うと、マサシはボールを拾いながら笑った。


「俺やらなくても、みんなやってくれるからいいっしょ」


そう言いながら、マサシも自主練に加わる。


体育館の半面ずつを男子部と女子部で分けて使っている。


時々、練習中に男子部の方を見るけど、彼はあまり一生懸命にやってるようには見えない。