｢……だが今は後悔している。何を捨ててでも梨加と君を手放すんじゃなかったって…………。｣


｢……お母さん言ってました。お父さんはすごく素敵な人だったって…。夢を持っててキラキラと輝いている人だと…。どういう風に別れてしまったのかは分からないけど、お母さんはきっとずっとあなたの事が好きだったんだと思います。｣


ついベラベラとそう言うと、金本さんは俯いて黙ってしまった。


(やばっ、なんか怒らせたかな……。)


そぉ〜っと顔を覗き込んで見てみるとボタボタと涙を流して泣いていた。


｢…嬉しいよ。僕をお父さんだと認めてくれるんだね？｣


(はぁ？むしろ都合よすぎる話に怒ってるんですけど…。)


｢あぁ〜愛しい娘よぉ〜！｣

私は怒っているとも言いだせず、またきつく抱き締められた。


｢よし、さっそく今日僕の家に引っ越ししよう！すぐに部屋を用意させるからね！｣


(うそでしょぉ〜！？)